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■( ゚∀゚)ジョルジュは取り戻すようです <プロローグ><第一話>

◆( ゚∀゚)ジョルジュは取り戻すようです インデックスページ
※リンク先:くるくる川 ゚ -゚)

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 21:25:38.19 ID:DDQVHrfkP

※閲覧注意




2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 21:27:43.30 ID:DDQVHrfkP

<プロローグ>
  _
( ゚∀゚)「……あーあ。
     俺、何やってんだ?」

腕に抱えた紙束を見下ろし、ジョルジュはこの日何十度目かの溜息を付いた。

平日の昼の高級住宅地。
数十分は歩き回っているが、人の姿はない。
ただ高い門と整然と刈り込まれた植え込みがそびえ、続いている。
  _
( ゚∀゚)「おっと、電柱発見。
     せっかくだから、三枚ぐらい貼っとくか……いや、止めとこう」

左脇に紙束を抱えたまま、右のポケットから器用にセロハンテープを取り出す。
電柱の表面を軽く手で払い埃を落とし、紙束から一枚抜き出して貼り付けた。
  _
( ゚∀゚)「……」

貼ってから、その文面を見る。
  _
( ゚∀゚)「……ま、いいか」



3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 21:29:21.00 ID:DDQVHrfkP


     ※ 迷子のペットを探しています! ※

  ・元気な子供のペットです

  ・体長50センチぐらい、丸い目と大きな口が目印です

  ・しっぽにリボンをつけています

  ・ひなたぼっこが大好きです

  ・名前を呼ぶとうれしそうに舌なめずりします

  ・ハエなどの羽虫が大好物です



  名前は『 ザラキーマちゃん 』です

  見つけた方は xxx-0881-1919(おっぱい いくいく)
  長岡探偵事務所まで!
                                」



4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 21:32:09.15 ID:DDQVHrfkP
この手の貼り紙に付き物の写真は、ない。
  _
( ゚∀゚)「……ふうっ」

春先ではあるが、日差しは白く強い。
アスファルトの照り返しを受けて溜息を付く。
  _
( ゚∀゚)「ま、ダメモトだよな。
     無理なら無理で、次の手を考えるかな」

ジャケットの胸ポケットから煙草を取り出し、手近な塀に寄りかかってくわえる。
100円ライターで火を付け、胸一杯に吸い込んで吐き出した。

軽く目を瞑る。
  _
( -∀-)「ったくよぉ……なんで俺は、こんなトコでこんなコトしてんだ?
      ……いや。分かってるんだよ。分かってるんだけど、こう……」

弁解めいた独白。
天を仰ぎ、目を閉じたまま煙を吐く。
閉じた瞼に陽の光が差し、橙色に染まるように感じられた。



6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 21:34:50.92 ID:DDQVHrfkP



――依頼主が事務所を訪れたのは、週末の昼過ぎのことだった。



川 ゚ -゚)「なんだここは。犬小屋か? それともウサギ小屋か?
     入り口に、探偵事務所、と書いてあったから来てみたのだがな」

ドアを開くなり言い放った声に、ジョルジュはそれと気取られないように肩を竦めた。
  _
( ゚∀゚)「いや、残念ながらどっちもハズレ。
     正真正銘の人間小屋だよ」

川 ゚ -゚)「そうか。悪いな。
     だが、小屋にしては飼い主がいるような身なりには見えんが。
     野良人間か?」

眉一つ動かさずに言い放つ女。
その身なりに素早く視線を走らせて、頭の中でソロバンを弾く。

それは、前職からのジョルジュの癖だった。
半ば以上、習慣化している。



8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 21:37:41.50 ID:DDQVHrfkP
シンプルな着衣は、一見してそれほど金がかかっているようには見えない。
それはつまり、見た通り安物か、さもなくば余程金がかかっているかのどちらかだ。

そしてこの女の場合、程なく後者だと判断が付く。
  _
( ゚∀゚)(上から下までで、しめてざっと7、80万。
     バッグも含めりゃ、100は行くかな。上客だな)

頭の棚の奥にソロバンをしまいながら、答える。
  _
( ゚∀゚)「あいにく、飼い主兼ペットでね。
     用件は何だい? 俺みたいな社会の底辺をあざ笑いにでも?
     それなら悪いけど、相手は駅前にたむろしてるヒマ人相手にしてくれねえかな」

川 ゚ -゚)「悪いが、その気はない。
     急いでいる。すぐにでも話したい」

柔らかい物腰の裏に、他人に指図するのに慣れた人間特有の無遠慮さが見え隠れする声。

女は古いソファを無言で見つめていたが、やがて慎重に埃を払う。
ハンカチを取り出してその手を拭い、さらに裏返してソファに敷いてから腰を下ろした。
  _
( ゚∀゚)(いちおう、毎日拭いてんだけどな……)

ジョルジュはそれを見届け、女の差し向かいに腰を下ろす。



9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 21:40:00.62 ID:DDQVHrfkP
  _
( ゚∀゚)「はいはい。
     んで、ご用件は?」

川 ゚ -゚)「ペットを捜して貰いたい」
  _
( ゚∀゚)「……ペットぉ?」

思わず、オウム返しに聞き返す。

ペットの探し手程度、金持ちがわざわざこんな所まで来なくても、いくらでもあるだろうに。
女は口を開いたままのジョルジュに頷き返すと、ハンドバッグを開き手帳を取り出した。

川 ゚ -゚)「ああ。この子だ」

ページを捲り、挟んであった四つ切りの写真を取り出す。
彼はそれをテーブル越しに受け取り、覗き込む。
  _
(; ゚∀゚)「ちょ、おま、こいつ……」



そして、絶句した。





10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 21:43:45.90 ID:DDQVHrfkP
川 ゚ -゚)「ザラキーマちゃんだ。どうだ、可愛いだろう?」
  _
(; ゚∀゚)「あ、いや。その……まあ、そうだな。
     つうか、致死率高そうな名前だな……それより!
     こいつって、その……」

写真と女の顔を交互に見ながら言葉を濁した。

川 ゚ -゚)「ああ、見ての通りだ」
  _
(; ゚∀゚)「いやでも、こいつって……トカゲ、だよな?」

川 ゚ -゚)「違う。コモドオオトカゲだ。
     探偵の割に無学な奴だな」

即座に女は訂正する。
  _
(; ゚∀゚)「コモドオオトカゲ、ってさ。
     あーっと……ペットにしていいんだっけか?」

川 ゚ -゚)「いや。違法だ」

……写真に写っていたのは、鮮やかな青い鱗の、大きなトカゲだった。



14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 21:48:20.07 ID:DDQVHrfkP
コモドオオトカゲはワシントン条約で保護された動物だ。
これを破った場合、日本では「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」に
抵触し、最大で一年以下の懲役、または百万円以下の罰金を課される。
つまり、犯罪行為だ。

ちなみに、コモドオオトカゲその歯から猛毒を分泌する。
噛まれれば、大人でも命が危ない。

川 ゚ -゚)「だから。わざわざこんな所まで来て、ここのようないかがわしい、
     社会の底辺に吹きだまるゴミの山にたかるハエに依頼している。
     金なら払う。異論は?」

ジョルジュは腕を組み、瞑目する。

実は、特に悩んでなどいない。
どんな客でも、依頼があれば最大限相談に乗る。
それが「長岡探偵事務所」のスタンスだ。

ただ、ポーズは必要だ。
少なくとも、不必要に安値で買い叩かれない程度には。
  _
( ゚∀゚)「……ハエ扱いされんのは困るけどさ。
     出すモン出してくれりゃ何だってするぜ?
     ゴミの山漁りでも、もちろんペット探しでも。それに……」

明るい色のブラウスの開いた襟から覗く、豊かな胸の盛り上がり。
ちらり、とそこに視線を向ける。
  _
( ゚∀゚)「……あんたのその、たわわなおっぱいを毎日マッサージでも。何でもござれだ」



21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 21:53:29.09 ID:DDQVHrfkP
川 ゚ -゚)「そうか。見下げた……失礼、見上げた根性だ。
     では頼もうか」

女は、一向に意に介さない。
  _
( ゚∀゚)「ぜってぇワザと言い間違えただろ……アンタ。
     ま、いいけどな。
     じゃ、その金の話だけど。とりあえず……こんぐらいかな?」

テーブルの上の電卓を手早く叩き、数字を女に見せる。
  _
( ゚∀゚)「これが基本料金。必要経費は別途になるけど、いいかい?」

続く言葉は女に聞こえないよう、心中で付け足す。
  _
( ゚∀゚)(ま、迷惑料にチップ、リスク分の上乗せ込みで……だけどな)

女の身なりと依頼の内容からから彼が割り出した報酬額は、相場の5割増しだった。

川 ゚ -゚)「ふむ」

電卓を覗き込み、女は腕組みして眉を寄せる。
  _
(; ゚∀゚)(やべ。ちっと吹っ掛けすぎた……かな?)

彼が提示した金額に疑問を持っているのだろうか。



23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 21:54:52.21 ID:smYkp9U/0
支援
ながらなのか…?


25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 21:56:11.72 ID:DDQVHrfkP
内心冷や汗を流す彼をよそに、女は電卓に手を伸ばした。

磨かれた爪の細い指が、電卓のボタンに触れる。

川 ゚ -゚)「相場というものが良く分からんが……いいだろう。
     この程度は出すが?」

女の指が、電卓の文字盤を押す。
「×」、「2」、そして「=」。
  _
( ゚∀゚)「……予想外。
     マジで?」

川 ゚ -゚)「ザラキーマちゃんは家族同然だ。
     無論、払った分の働きはして貰うぞ」
  _
(; ゚∀゚)「あ、ああ。了解だよ。えーと……」

川 ゚ -゚)「クーだ」

その女、クーは手帳のページを破り、電話番号を書き付けると机に置いた。

川 ゚ -゚)「見つけたらここに。何もなくても、最低1日おきに連絡しろ。
     経費で遊び回られては、さすがに困るのでな」

それだけ言って、彼女はソファを立つ。
来たときと同じように無言でドアを押し開け、頭を下げるどころか、振り返りすらせずに
出て行った。



26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 21:56:26.04 ID:kM3GwJm80
ながらでこれだとしたら、俺は驚く


29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 21:57:56.31 ID:DDQVHrfkP
  _
( ゚∀゚)「……あー、よろしく」

別れの挨拶を呟く。
それは彼女が去ってから10秒ほども後であり、従って彼女の耳には当然届かなかった。
  _
( ゚∀゚)「しっかし、どうしたモンかね?」

ぎしぎしとソファを鳴らしながら、ジョルジュは独りごちる。
その手から、ひらり、と写真が落ちた。

写真は、クーの態度のように素っ気なく半回転し、同じくテーブルに残されたメモの上に、
裏向きに軟着陸した。



30 :リアルタイム校正中でした。もう終わった:2009/06/12(金) 21:59:37.28 ID:DDQVHrfkP



――そして、出来ることと言えば、たったこれだけだ。



真昼の住宅地をあてどもなくさまよい歩き、見付けた電柱に張り紙を貼る。
30分もしないうちに、左脇の張り紙は最後の一枚になっていた。
  _
( ゚∀゚)「どれだけ効果があるか、分かったもんじゃないけどな。
     しっかし、違法ペットじゃ写真付けるわけにもいかねえ。
     ……ま、やれるだけのことはやった、ってことで納得しとくかな」

手に残ったそれを見つめながら呟く。
  _
( ゚∀゚)「……」

辿り着いた路地の先。
目の前を塞ぐ公道に面した門扉に、ふと目を遣る。

他のどの家よりも幅広く、高い鉄柵。
その内側には、ジョルジュの事務所が4~5個は収まりそうな庭が広がっている。
  _
( ゚∀゚)「けっ。ったく、土地の無駄遣いしやがって。
     こんなモン造るから、俺の事務所が手狭になんだよ」

整えられた植え込みに、青々と茂る芝生。磨かれた石畳が続く庭の奥には、彼が
事務所を構える雑居ビルに匹敵する大きさの邸宅がそびえ立っていた。



31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 22:01:13.78 ID:wmvYdkMw0
こういうハードボイルドいいな


32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 22:01:15.84 ID:DDQVHrfkP
  _
( ゚∀゚)「……」

また溜息をひとつ吐き、門扉越しに中を見回す。
その溜息は、だが疲労から来るものとは違う。
  _
( ゚∀゚)「……俺は……いや、やめとこう。
     昔を振り返らないのが、俺の主義だしな」

呟き、邸宅の玄関を見る。

その彼の瞳にあるのは、羨望の色ではない。
もっと暗く、重い、何か。
それがひととき、細めた目の奥で光った。



その時、風が吹いた。


  _
(; ゚∀゚)「っとと――ありゃ?」

邸宅を見ていたジョルジュの腕から、張り紙が逃げ出す。
紙切れは風に煽られ、門扉の隙間から庭に飛び込む。

思わず門扉に手を付く。
吹き込んだ張り紙は、彼の目の前で庭の植え込みの奥に舞い飛び、消えた。



34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 22:03:05.53 ID:DDQVHrfkP
  _
( ゚∀゚)「……あーあ」

見送ってから、気の抜けた声を上げる。
  _
( ゚∀゚)「やっべ、やっちまったな」

庭に入らなければ、飛んでいった張り紙は取り戻せない。
だが、その為だけにこの邸宅の門を叩くのも気が引けた。

一瞬迷うが、結論はすぐに出る。

昔を振り返らないのが、彼の主義だ。
  _
( ゚∀゚)「ま、いっか。別に見張られてるワケでもねぇし。
     今日の所はこれで上がり、って神さんが言ってくれてるんだよな、うん」

やや気まずそうな視線を邸宅の庭に投げかけた後に、腕組みをして頷く。
  _
( ゚∀゚)「そうと決まれば、業務終了、と。
     いやあ、いいコトをした後は気分がいいぜ。
     んじゃ、帰るとすっか!」

自分に言い聞かせるように、また頷き。
行進でもするように大きく腕を振り振り、ジョルジュはその場を後にした。



37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 22:06:11.25 ID:DDQVHrfkP



――その人物が庭に舞い込んだ張り紙を見付けたのは、ジョルジュが去ってから数分の
後のことだった。



    「あ――」

静かな庭に、ためらいがちな声が上がる。

    「……?」

かがみ込み、庭石に引っかかっていたその紙切れを手に取る。
文面に目を走らせ、次いで立ち上がり周囲を見回す。

    「……これって……」

立ちつくすその人物の、張り紙を持つ手とは反対側の手。
困り果てた様子で、その手の中にいる「もの」を見下ろす。

    「……ザラキーマ……ちゃん?」

張り紙に印刷された、そのトカゲのものとおぼしき名前。
それを困惑気味に口に出すその人物の脇で、鮮やかな青い鱗のトカゲが、ゆるゆると
目をしばたたかせた。



39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 22:09:22.11 ID:DDQVHrfkP

    「…………っ」

脇のトカゲ、手にした張り紙、外の世界に繋がる門扉を。
そして振り返り、邸宅の大きく、厚く、重い扉を。

それら全てを何度も、目まぐるしく見て、唾を飲み。
やがてその人物は、意を決して一歩を踏み出した。



視線の先は――閉ざされた門扉の閂だった。









40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 22:11:58.67 ID:DDQVHrfkP

<第一話>

                      - 1 -

大邸宅の前の道を真っ直ぐ大通りに出る。
くわえ煙草のまま手を挙げ、ジョルジュは通りがかるタクシーを呼び止めた。

( ´∀`)「モナ。どちらまでモナ?
      ……あ、ちょっと。煙草はご遠慮下さいモナ」

愛想良く迎えた運転手の声が、瞬く間に暗転する。
  _
( ゚∀゚)「なんだよ、細かいコト気にするな。
     あんた肺ガンかなんかか?」

(; ´∀`)「だったら入院してるモナよ……とにかく、規則だモナ」

前を向いたまま腕だけを伸ばし、アームレストを指す。
後部座席の灰皿は、「禁煙」と書かれたテープで封印されている。
ジョルジュは首を振り、路肩に煙草を投げ捨てた。
  _
( ゚∀゚)「んじゃ、駅前のロータリーまで頼むわ。東口な」

( ´∀`)「モナモナ。了解モナよ」

どこに捨てるか、はさしたる問題ではないらしい。



43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 22:15:36.98 ID:DDQVHrfkP
  _
( ゚∀゚)(あ。タクシー代も経費で落とせんだるんだっけな?
     ま、いいか)

無意識のうちに懐にある煙草のパックに手を伸ばしかけて、ジョルジュはまた首を振った。
手持ち無沙汰に窓枠に頬杖を突き、来た道を見る。

脚を棒にして歩き回った住宅地は、この大通りから見てすら別世界だった。
昼の日差しに長く伸びる影でさえ高級に見える。

無論、幻覚だが。
  _
( ゚∀゚)(……)

( ´∀`)「じゃ、出るモナよ――」

大通りの、車の流れに乗るタイミングを計る運転手。
ウィンカーの、かち、かち、という点灯音が、冷房の効いた車内に響く。
  _
( ゚∀゚)(……?)

外を見ながら、運転手に生返事を返そうとしたジョルジュだが。
先刻自分が歩いてきた道に小さな人影を認め、声を上げた。
  _
( ゚∀゚)「おー……すげえな」



44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 22:19:06.05 ID:DDQVHrfkP
言いながら思わず身を乗り出す。
何かを抱えて通りを歩いてくる小柄な人影――恐らくは女の、その服装。

濃い色の、丈の長いワンピースに、エプロンドレス。
俗に「メイド服」と呼ばれる服装だ。
  _
( ゚∀゚)「すっげ……あんなの、本当にいるんだな」

運転手も首を捻り、横を見る。

( ´∀`)「え? ……ああ。この辺、たまにいるモナよ。
      いやあ、お金持ちって凄いモナね」
  _
( ゚∀゚)「ああ。ホント、羨ましい限りだ……な……?」

少しずつ大きくなるメイド服の人影の、脇に抱えられた「荷物」。
その輪郭がはっきりしてくる。

日差しを照り返して光る、青い鱗。

それは――

( ´∀`)「お待たせしたモナ。それじゃ駅に……」
  _
(; ゚∀゚)「ま、待ったあッ! ちょっと待て! ストーップ!!」

(; ´∀`)「ひゃいっ?」



46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 22:22:19.75 ID:DDQVHrfkP
出し抜けに叫んだジョルジュに運転手はすくみ上がり、何事かと振り返る。

(; ´∀`)「ど、どうしたモナ。
      お客さん、危ないから大声は止めて欲しいモナ!」
  _
(# ゚∀゚)「うるせー、いいから待ってろ!」

言い捨ててドアを押し開け、転がり出る。
歩いてくる人影の姿は、細部まで判別できるほどに近寄っていた。
手を振りながら、その人影に歩み寄る。

(*゚ー゚)「……」

給仕服の小柄な女。
脇にコモドオオトカゲの「ザラキーマちゃん」を抱え、空いた手には、ジョルジュが
刷ったあの張り紙を握っている。

想像していたより、ずっと若い。少女と言っても差し支えない年齢に見える。
小柄に見えたのは年齢のせいで、こうして見れば年相応の体格だ。
  _
( ゚∀゚)(こんなコがメイド、やってんのかよ。
     この国も終わったな……いや、始まったか)

遠目に見たときは、てっきり中年の女かと思っていたのだ。



47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 22:25:27.53 ID:DDQVHrfkP
予想外の外見に、意味もなく緊張しながら。
  _
( ゚∀゚)「……あー、ちょっといいかな。
     そいつのコトなんだけど……」

(*゚ー゚)「……」

少女はしばし沈黙する。
彼にとっては、何とはなしに気まずい沈黙だ。

小首を傾げ、眼を細めてジョルジュの顔を見た彼女は、しばしの後に、
にこり、と控えめに微笑み、頷いた。

(*゚ー゚)「……ええ、ええ。存じております。
    こちらをお持ちになっていらっしゃったのは、貴方ですね?」

少女は微笑みながら、張り紙を差し出す。
  _
(; ゚∀゚)「あ、ああ。そうだよ」

(*゚ー゚)「私が庭の掃除をしている時に、これが飛び込んできて。
    外に貴方の背中が見えましたので、慌てて追いかけてきてしまいました」

年齢にそぐわない、落ち着いた丁寧な言葉遣いで話す。

(*゚ー゚)「こちらの……ええと、ザラキーマちゃん、ですね。
    ちょうど今朝、この子を庭で見付けましたの。
    特徴の所を読んで、すぐに分かりました」

彼女の腕にしがみついたトカゲの尾で、ピンクのリボンが揺れている。



49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 22:29:27.98 ID:DDQVHrfkP
  _
( ゚∀゚)「なるほど、ね。
     どうもありがとうな」

少女はゆっくりと首を振る。

(*゚ー゚)「いいえ。こちらこそ、申し訳ありませんでした。
    すぐに届け出れば良かったのですが、飼い主の方には申し訳ないことを」
  _
(; ゚∀゚)「ま、まあ、ね。気にしないでくれよ。
     ……はははっ」
  _
(; ゚∀゚)(……届け出てたら、大変なことになってたろうけどな)

引きつった笑いを浮かべながら、ジョルジュはトカゲを受け取ろうと手を伸ばす。
  _
( ゚∀゚)「何にせよ、感謝するよ。
     それじゃ、そいつは返して貰おうかな」

だが。

少女はそのジョルジュの手ではなく、止まっているタクシーに視線を走らせ、
青いトカゲを抱いたまま、すい、と歩み出た。

(*゚ー゚)「――それでは、飼い主の方の所に参りましょう。
    ご一緒いたします」



51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 22:34:26.12 ID:DDQVHrfkP
  _
(; ゚∀゚)「え? あ、いや、いいって。
     俺がそいつ、連れて帰るからさ。キミは、別に」

微笑み、首を振る。

(*゚ー゚)「いえ。それでは、申し訳が立ちません」
  _
(; ゚∀゚)「……え?」

(*゚ー゚)「貴方と、飼い主の方に。ご迷惑をお掛けしてしまいました。
    主人に代わって一言お詫び申し上げるよう、申しつかっておりますので」
  _
(; ゚∀゚)「……」

(*゚ー゚)「あまりお待たせしてしまうと、メーターが回ってしまいます。
    さあ、参りましょう」

また微笑む。
柔らかいが有無を言わせぬ口調と表情だった。
  _
(; ゚∀゚)「……あー……ああ」

ジョルジュは、ただ曖昧に頷くことしかできなかった。





53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 22:35:21.14 ID:n6F+RM170
ジョルジュ弱気すぎwww


57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 22:37:39.01 ID:DDQVHrfkP
(*゚ー゚)「お待たせいたしました」
  _
( ゚∀゚)「んじゃ、出してくれ」

(; ´∀`)「モ……モナ?」

運転手は目を見開いた。

後部座席に乗り込む男と、連れてきたメイド服の少女。
その脇に抱えられた、土着の生物にあるまじき風貌の大トカゲ。
そのどれに驚いたかは、定かではない。

全てに、かも知れないが。

(; ´∀`)「……あの、お客さん。
      ペットは、ちょっと……モナ」

汗を流して黙りこくっていたが、どうにか口を開く。
  _
( ゚∀゚)「ああ、気にしないでくれ。こいつ、大声出したりしないからさ」

(; ´∀`)「そ、そういう問題じゃないモナ!
      煙草も、ペットも駄目モナ!」



58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 22:39:54.28 ID:DDQVHrfkP
  _
( ゚∀゚)「まあまあ、カタいコト言いなさんなって。
     いいだろ、一回ぐらい」

(; ´∀`)「だめだめ、駄目だモナ! 規則だモナ!」

運転席から身を乗り出し、今度はシートの背もたれの注意書きを叩く。
そこには、「介助犬以外のペット同伴の乗車はお断りします」と書かれていた。
  _
( ゚∀゚)「そうかい。
     じゃ、こいつ実は介助トカゲなんだ。ダメ?」

( ´∀`)「……ダメダメだモナ。色んな意味で」
  _
( ゚∀゚)「……」

少女の脇から、トカゲを取り上げる。
  _
( ゚∀゚)つトカゲ「んしょ、っと」

それを、おもむろに首に掛ける。
   _
トカ( ゚∀゚)ゲ 「マフラー」

( ´∀`)「……」
  _
( ゚∀゚)「じゃあ、この娘は実は操り人形で、本体はこのトカゲとか……」

(# ´∀`)「……怒るモナよ?」



59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 22:43:28.28 ID:DDQVHrfkP
その時。
笑顔を絶やさないまま座っていたメイド服の少女が口を開いた。

(*゚ー゚)「運転手さん、申し訳ありません。
    急ぎの用ですので、ご容赦願えませんか?」

運転手はかすかに身じろぎし、だがそれでも首を縦に振らない。

( ´∀`)「お嬢さん、悪いけどモナ。
      こればかりは会社で決めていることなんで、仕方ないモナ」

困りましたわ、と言った様子で、少女は首を振る。
次いで、少し身を乗り出し、運転手の目を覗き込みながら続けた。

(*゚ー゚)「お願いします。
    本日の苦情は、御社から主人に……ギコに直接、お申し入れいただいて構いません。
    ですので、ここはご納得いただけませんでしょうか?」

(; ´∀`)「……!」

先程以上に目を見開く運転手。
ジョルジュも同じだ。
  _
(; ゚∀゚)「あんた……あの屋敷って。
     まさか、あの『タカラ・ホールディングス』の、ギコ社長の?」

(*゚ー゚)「はい。
    申し遅れました。私、ギコの家に勤めております」



61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 22:46:39.22 ID:DDQVHrfkP
タカラ・ホールディングス。
都内数十社の企業を傘下に抱える「タカラグループ」を統括する持株会社。
日本でも最大手の持株会社であり、ギコはその社長だ。

ちなみに、彼らが乗るこのタクシーの会社は、タカラグループのグループ企業だ。
親会社の社長に直接苦情申し入れなど、一介の社員には可能な真似ではない。
それを知っていて、少女は思い出したかのように口に出したのだろう。
  _
(; ゚∀゚)(まあ、なんて言うか……見かけによらずしたたかだな。このコ)

ジョルジュはその素性に驚きながらも、半ば感心する。

(; ´∀`)「そ、それを早く言うモナ! じゃなくって、おっしゃってくれ……欲しいモナ!
      そそそ、それなら問題ないモナよ。
      行きます、行かせてもら、も、いただくモナ!」

一転、冷や汗を流しながらハンドルにしがみつく運転手。
震える手でハンドルを握り、車を発進させた。

(*^ー^)「ありがとうございます。
     では、お願いします」

そう言ってにっこりと微笑み、少女は頭を下げる。
ジョルジュの首の横で、コモドオオトカゲが退屈そうに欠伸をした。







63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 22:50:34.83 ID:DDQVHrfkP

                      - 2 -

駅前のロータリーに、三人と一匹を乗せたタクシーが滑り込む。
後部座席のドアを開き、運転手は汗を流しながら頭を下げた。

(; ´∀`)「つ、つつつ、着いたモナよ」

(*゚ー゚)「はい。ありがとうございます」

頭を下げ続ける運転手に、トカゲを抱いてにこやかに答えるメイド服の少女。
主従関係が完全に逆転しているように見えるその光景に、ジョルジュは苦笑した。
  _
( ゚∀゚)「ありがとさん。幾らだい?」

身を乗り出してメーターを覗き込みながら財布を探る彼を、少女は視線で押し留める。

(*゚ー゚)「いえ、貴方にお支払いいただく必要はありませんわ。
    運転手さん。今日の運賃は今月末、併せてタカラ・ホールディングスにご請求下さい」

(; ´∀`)「は、ははははははいですモナ!
      あああありがとうございますモナ、社長によ、よよ、よろしくですモナ!」

彼らを歩道に降ろすや否や、タクシーは猛然と発車する。
見送る二人の乗客の目の前で赤信号を突っ切り、タイヤを鳴らしながら来た方角に
走り去っていった。



67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 22:55:48.40 ID:DDQVHrfkP
  _
( ゚∀゚)「……なんか、悪いコトしたかな。
     ま、いいか」

事務所に戻り、クーを呼び出してトカゲを返す。
後金を受け取って、依頼は完了、だ。
  _
( ゚∀゚)「世話になったな、お嬢ちゃん。
     さて、それじゃ――」

傍らの少女を見る。
少女は、俯いていた。
  _
( ゚∀゚)「――ん?」

(* ー )「……」

前髪に隠れて表情は見えない。
  _
( ゚∀゚)「ありゃ。
     どうした? 今頃車酔いかい?」

顔の横で手を振るが、反応はない。
よく見ると、肩を小刻みに、ふるふると震わせている。
  _
(; ゚∀゚)「……おーい」

突然の少女の変化に戸惑うが、問題はそれだけではない。



69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 22:59:05.93 ID:DDQVHrfkP
周囲の視線が、集まり始めている。

見慣れない大きなトカゲを抱いて肩を震わせる、メイド服姿の少女。
その少女の隣に立つ、無精髭の男。
どう贔屓目に見ても健全な構図ではない。

うろたえ、少女を三度呼ぶ。
  _
(; ゚∀゚)「おい! 一体、どうしたんだよ?」

(* ー )「……」

彼女は。

(* o )「……はああ――っ」

大きく、長い息を吐く。

次いで。

紅潮した顔を、ぴょこん、と跳ね起こした。



70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 23:01:29.52 ID:DDQVHrfkP



(*゚ー゚)「あ~~~~、緊張した!
    やっぱり、いざとなるとスリルあるなぁ。
    ボク、どきどきしちゃった!」


  _
(  ∀ )「……」
  _
(  ∀ )「…………え?」



突然。



(*゚ー゚)「でも、大丈夫かな? あの運転手さん。
    しばらく黙っててくれると嬉しいんだけどな」

先程までとはがらりと変わった、年相応の幼い表情に、舌足らずな口調。
ジョルジュの存在も忘れた様子で、少女はくるくると目を回しながら呟き出した。
その声量は、呟くと言うには余りにも大きいが。
  _
( ゚∀゚)「え? あ、え?」

彼は、その変化に対応しきれていない。
ただ困惑の視線を彼女に向けながら、疑問符を発するだけだ。



72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 23:04:29.92 ID:DDQVHrfkP
(*゚ー゚)「……あ。この服じゃ目立っちゃうな。
    でも、着替えるヒマなんてなかったし、仕方ないかな」
  _
( ゚∀゚)「……おーい。
     何事? どうなってんの?」

(;゚ー゚)「ああああ!」 
  _
(; ゚∀゚)「うおっ?」

(*゚ー゚)「お財布、忘れちゃったよ……。
    おっかしいなぁ、新聞の集金用に持ち歩いてたのに……あ。
    もしかして、昨日着てた方に入れっぱなし? あああ、参ったなぁ」
  _
( ゚∀゚)「……」

目前で、がっくりと肩を落とす少女。
その視線が地面のアスファルトと宙を往復し、ようやくジョルジュの顔に据えられる。

(*゚ー゚)「あ」

「客人」の存在を、ようやく思い出したらしい。
慌てて背筋を伸ばし、彼に向かって深々と頭を下げた。

(*゚ー゚)「あ。あの……。
    突然、ごめんなさいっ!」
  _
(; ゚∀゚)「……あ、ああ。別に、いいけどさ」

やっとの事で口に出す。



73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 23:04:40.87 ID:TcQg9KQYO
ボクっ娘……だと……?


76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 23:08:02.74 ID:DDQVHrfkP
(*゚ー゚)「ホント? いきなりついて来ちゃって、驚かなかった?
    怒られたりとかしたらどうしようって、ずっと気になってたんだよ」

少女は、ジョルジュにしがみつかんばかりの勢いで迫る。
背の低い彼女は、ジョルジュを上目遣いに見上げる姿勢になった。
彼の袖にしがみつかんばかりの勢いで言い募る。
  _
( ゚∀゚)「いや、いいんだ。
     そいつの飼い主に、挨拶。してくんだろ?」

彼女の脇のトカゲを指差す。
ロータリーの日向に出たトカゲは、目を半ば閉じて動かなくなっている。
心なしか、心地よさげな表情に見えなくもない。

彼女は悪戯っぽく笑い、答えた。

(*゚ー゚)「ああ、このコの飼い主さんに?
    あれ、ウソ」
  _
( ゚∀゚)「だよな。だから――――ウソ?」

(*゚ー゚)「うん。真っ赤なウソ」

予想とは正反対の返答に、ジョルジュの頭は一瞬で空白になった。



77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 23:10:36.22 ID:DDQVHrfkP
  _
( ゚∀゚)「いや、だから……え?
     その……なんだ。ちょっと待ってくれ。
     何が、どうなってんだ? お嬢ちゃん」

(*゚ー゚)「そうだ。自己紹介、してなかったよね」

少女は姿勢を正して言う。

(*゚ー゚)「ボク、しぃ、って言うんだ。
    ギコさんのお屋敷で、住み込みで小間使い、やってました。
    あ、これはホントだよ?」

頷きかけたジョルジュだが、しぃの言葉に違和感を覚える。
  _
( ゚∀゚)「やって……『ました』?」

(*^ー^)「うん。家出、してきちゃった。
     だから、やってました」

話が見えない。
  _
( ゚∀゚)「家出? いつ、そんなコトしたんだ?」

(*^ー^)「それはもちろん、たった今だよ」

にこにこと笑いながら、しぃ。




79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 23:13:56.15 ID:DDQVHrfkP
トカゲの飼い主に会いたいというのは、嘘だと言う。
そして、家出をしてきたと。それも、たった今だと。

明確な事実が、たったひとつある。
それは、今この場にしぃがいる、ということだ。
つまり、家出は成功だった、ということになる。
  _
(; ゚∀゚)「……お前、まさか……」

ここに至って、ジョルジュはようやく気付いた。



――自分は、ペットの返却を口実に、この娘の家出の片棒を担がされたのだ、ということに。


  _
(; ゚∀゚)「……なんてこった……」

知らずにしたこととは言え、下手をすれば誘拐犯扱いだ。
それも、天下のタカラ・ホールディングスの社長宅のメイドを。

(*゚ー゚)「まあまあ。過ぎたことなんだから、気にしないで。
    大丈夫だよ。ボク、おじさんに誘拐されたよー、なんて、言ったりしないから。ね」
  _
(; ゚∀゚)「ばかやろ、当たり前だ!
     んなコトされたら、俺の人生おしまいだっての!」



80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 23:16:53.56 ID:DDQVHrfkP
しぃは、焦るジョルジュの顔をまじまじと覗き込み、納得したように大きく頷く。

(*゚ー゚)「もっちろん。
    じゃ、おじさん。行こっか」
  _
( ゚∀゚)「どこにだよ」

(*゚ー゚)「おじさんち。
    ボク、今日、泊まる場所がなくってさ。
    一晩だけ、いいでしょ?」
  _
( ゚∀゚)「……」

問われて、ジョルジュはしぃの姿を見る。

(*゚ー゚)「?」

町中では余りにも目立つメイド服に包まれた、細い肩と手足、そして腰。
清掃の邪魔にならないように短めに整えられ、まとめられた髪。

どんな事情があろうとも、幼い娘と自宅で一晩を過ごす気にはなれそうにない。
丸い瞳を見返しながら、ジョルジュは答えた。
  _
( ゚∀゚)「……ダメだ」



82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 23:18:41.85 ID:7Jk/H3RE0



83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 23:21:17.55 ID:zKa3d2BFO



84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 23:22:16.66 ID:DMUqtnXf0



85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 23:22:36.82 ID:g/Xv9eTZ0



86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 23:23:46.64 ID:DDQVHrfkP
(*゚ー゚)「えええ、なんで?」
  _
( ゚∀゚)「お前、仮にも女の子だろ。レディが独身男の家に泊まるなんて、やめとけよ。
     第一、俺に家庭があったらどうする気なんだ?」

(*゚ー゚)「ううん、全然。だっておじさん、独身で一人暮らしだよね?」

図星を指される。
  _
(; ゚∀゚)「な……なんでそんなコト、知ってるんだよ」

(*゚ー゚)「ボク、メイドだよ? お客さんの相手するの、慣れてるもん」

そう言って、しぃは得意げに人差し指を立てた。

(*゚ー゚)「結婚指輪はしてないし、無精髭だし。
    けっこういい服着てるけど、クリーニングに出してからずいぶん経つでしょ?
    襟、ちょっとよれてる」
  _
(; ゚∀゚)「……う」

(*゚ー゚)「それに、頭の後ろ。ちょっとだけ、寝癖で髪が跳ねてるよ。
    結婚もしてなくて、そばで身だしなみを注意してくれる人もいなくて、服の手入れだって
    あまりしてないでしょ? だから」

思わず、後頭部を押さえる。



89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 23:26:54.45 ID:DDQVHrfkP
  _
( ゚∀゚)「なんだよ……名探偵ってのは、ひょんな所にいるもんだな。
     だけどな、ダメなものはダメ。知り合いの家なり、実家なりに泊まりな。
     その方が、よっぽど安心だろ? こんな独身男の家に泊まるより、さ」

(*゚ー゚)「……ダメ?」
  _
( ゚∀゚)「ああ。ダメだ」

理由は、言うまでもない。

縋る目でジョルジュを見上げるしぃ。
彼女の目を、硬い表情で見下ろすジョルジュ。
二人の間に沈黙が降りる。

沈黙を破ったのは、しぃだった。

(* ー )「……ないんだ」

俯き、細い声で。

(* ー )「ボク、知らないんだ……自分ちが今どこにあるのかも、連絡先も。
    ボクのお父さんとお母さん、ボクをギコさんに預けてせいせいしてるよ」

今までの快活な色は、その声には微塵もない。
  _
( ゚∀゚)「……」



91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 23:29:15.46 ID:DDQVHrfkP
(* ー )「友達だって、知り合いだって……いないよ。
    ずっとギコさんの所にいたんだもん。遊んだりなんてするヒマ、なかったもん……」
  _
(; ゚∀゚)「……お前……」

(* ー )「いいよ。これ以上、おじさんに迷惑かけられない。
    自分ひとりで何とかするから、いいよ……」

言ったきり、黙りこくる。
寝息を立てるトカゲを抱きしめたまま、両腕に顔を埋めるようにして唇を引き結ぶ。
  _
( ゚∀゚)(……身売り、か? そんな話、今時あるのかよ?)

にわかには信じがたい話だった。
また嘘をついているのかも知れない。
住宅地での車内のやり取りを思い出しながら、まず疑う。
  _
( ゚∀゚)「……」

だが、今のしぃの様子は、そのようには見えない。
言葉を返すことはできず、ジョルジュは黙って、黙りこくるしぃの頭に手を伸ばした。



(*^ー^)「――――なんちゃって♪」





92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 23:31:15.50 ID:DDQVHrfkP
その腕に、素早くしぃの両腕が回される。
不意を衝かれた彼の腕を、しぃは一瞬で捉えていた。
  _
(; ゚∀゚)「お、お前っ!」

(*^ー^)「あはははっ、また引っかかった!
     おじさん、探偵さんなのにお人好しだね。純情派?」

ジョルジュの腕を引きながら、してやったりという表情で勝ち誇る。

(*゚ー゚)「ホントはね、一人でせいせいしたいだけなんだ。
    明日になったら、ちゃんと帰るからさ。ね、いいでしょ?」
  _
( ゚∀゚)「純情派は刑事だろ……はあっ」

今朝起きてから今までの中で、一番大きな溜息を吐く。
  _
( ゚∀゚)(ご禁制のトカゲ探しの次は、不良メイドのお守りか。
     ったく、ほんとツイてないぜ……)

心中で盛大に不運を悔やむ。
  _
( ゚∀゚)(どんな客でも、依頼があれば最大限相談に……か。
     こりゃ、今までの依頼の中でも最難関だな)

数えるほどしか仕事をこなしたことはないが、それは忘れることにする。



94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 23:33:35.02 ID:DDQVHrfkP
  _
( ゚∀゚)「……分かった。俺の負けだよ。
     一日だけだからな。明日はちゃんと帰る所に帰るんだ。オーケイ?」

しぃの表情が輝いた。

(*^ー^)「本当? ありがと、おじさん!」
  _
( ゚∀゚)「……だけどな、ひとつだけ条件がある。
     守れなきゃ、この話はナシだ」

(*゚ー゚)「なあに?」

人差し指を、しぃの顔に突きつける。
  _
( ゚∀゚)「おじさん、は禁句だ。
     俺はジョルジュ。ジョルジュ長岡だ。ちゃんと覚えとけよ」

(*゚ー゚)「うんっ! 分かったよ、ジョルジュさんっ!」

ジョルジュの腕をようやく離し、しぃは身を翻らせた。
一歩離れ、最初に会ったときのように姿勢を正し、背筋を伸ばす。

(*゚ー゚)「お心遣い、感謝いたします。
    ご迷惑をお掛けしてしまいますが、何卒よろしくお願いいたします。

(*^ー゚)「……よろしく、ね♪」

丁寧な口調の最後に付け足した一言は、先程までと同じ調子に戻っている。
にこやかに歩み寄って、再びジョルジュの腕を引く。



95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 23:36:33.15 ID:DDQVHrfkP
(*゚ー゚)「じゃあ、行こ。
    ずっと立ち話してたから、ボク、疲れちゃったよ」
  _
( ゚∀゚)「おい、待てって。
     お前、俺ん家知らないだろ。いくら引っ張ったって着かないぜ?」

(*゚ー゚)「あ、そうだよね」
  _
( ゚∀゚)「ほら、こっちだ。行くぞ。
     ったく……その格好で腕なんて引かれてると、嬉しくて胃に穴が空きそうだよ」

言って、歩き出す。
事務所兼自宅までは、徒歩で五分程度の道のりだ。
その五分の間に警官に出くわさないことを、ジョルジュは冗談半分に祈った。







97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 23:39:13.98 ID:DDQVHrfkP
  _
( ゚∀゚)(……)

連れだって路地を歩きながら、考える。

しぃが言った言葉。
「親に連絡が付かない」、「友人もいない」。
すぐ後に、それさえも嘘だと言って、しぃは笑った。
  _
( ゚∀゚)(……でも、な)

その時、ジョルジュの腕を取ったしぃの手。
その手は、微かに震えていた。
両肩には不自然なほどに力が入り、強ばっていた。

何が嘘で、何が真実なのか。
今の彼女の表情からは、それは読み取れない。
  _
( ゚∀゚)(ま、悩んでもしゃあねえか。
     あとは過ちがないように、天に祈るばかり、って感じかな)

横を歩くしぃを見る。
コモドオオトカゲの「ザラキーマちゃん」を抱く、その薄い胸を。
そして、後れ毛が揺れる白い首筋を、見る。

男女とはいえ、しぃは年端もいかない少女だ。
過ちなど、起ころうはずもない。



98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 23:41:27.75 ID:DDQVHrfkP
  _
( ゚∀゚)「……ま。こんなお子ちゃま相手に、あるはずないか。
     第一、俺はバスト90センチ以下は相手にしない主義なんだ」

小声で呟く。

(*゚ー゚)「え? ジョルジュさん、いま何か言った?」
  _
( ゚∀゚)「ん、ああ。独り言。
     可愛いメイドさんには、宿代代わりに部屋の掃除でも頼もうかなってね」

(*^ー^)「あははっ。おやすいご用だよ、ご主人様♪」

彼の心を知らないしぃは、屈託なく笑った。
その表情を見て、彼も頬を緩める。
  _
( ゚∀゚)「さぁて――と。
     帰ったら、あの成金鉄面皮女に連絡しなきゃな。
     お宅のペットはメイド喫茶にシケ込んでましたよー、ってなもんだ」









99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 23:46:18.46 ID:DDQVHrfkP

                      - 3 -

同日。
ひとりの探偵とひとりの給仕、そして一匹のトカゲが帰路に付いたのと、同時刻。
タカラ・ホールディングス社長宅、自室前。

浮き彫りが施された厚い木製の扉。
その扉を守るように、ひとりの男が立っている。

('A`)「……」

小柄な痩せぎすの男。
背筋を丸め、油断のない眼で周囲を見ている。

廊下の角から、もう一人の男が現れた。

( ^ω^)「待たせたお。まだ、大丈夫かお?」

扉の前に立ち続ける男とは対照的に、大柄な肥満体。
服装こそ痩せた男と揃いのダークグレイのスーツだが、胴回りも襟ぐりもひどく余裕がない。

('A`)「ああ」

( ^ω^)「……本当に参ったお……。
      ドクオ、見付かったかお?」

困り果てた様子で首を振り、だが抑えた声で隣の男に囁く。



101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 23:51:08.43 ID:DDQVHrfkP
('A`)「いや」

返答は短く、簡潔だ。

( ^ω^)「じゃあ、中にいるのは?」

('A`) 「高岡。終わったら呼ばれる。待て」

無表情のまま答える。
一拍置いて首を捻り、口の端を歪めた。
捲れ上がった唇から犬歯が覗く。

('A`)「……それとも、お前も混ざってくるか? ブーン」

彼は、ドクオは、これでも笑っているのだった。

(; ^ω^)「や、やめてくれお。冗談じゃないお」

問われたブーンは汗を拭い、扉を見る。

( ^ω^)「……社長も、困ったものだお。ドクオ、どう思うお?」

('A`)「他人の趣味に興味はない」

ドクオはやはり短く答え、そのまま正面に視線を据えた。
呆れたように、あるいは諦めたように、ブーンは首を振る。

重厚な扉は、その中で行われている行為を、その音も、声も、些かも漏らすことはない。
そのまま、二人は主人の声を待った。



103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 23:55:29.91 ID:DDQVHrfkP
扉の内側には、会話はない。
ただ、荒い呼吸音と断続的な水音が交互に響いていた。

中庭を臨む広い窓を背に、腰掛ける男が一人。
幅広い机から椅子を引き、ただ無言で座している。

(,,゚Д゚)「……」

タカラ・ホールディングス社長、ギコ。
この館の主だった。

    「は、ん……」

荒い呼吸音は、彼のものではない。
それは、彼の足下に跪き覆い被さる人影の発するものだ。

    「……ふ、はぁ……っ……」

彼の腰元に手を突き息を吐く、その人影。
その服装は、この日ジョルジュと出会ったしぃが身につけていたものと同様の給仕服だ。

ぴちゃ、ぴちゃ、と。

また水音が鳴る。

その人影、高岡は――剥き出しになったギコの下半身に顔を寄せ、屹立した肉茎を、
その舌と唇で愛撫しているのだった。



104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 23:56:24.56 ID:kOTCtz0uO
わっふる


106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 23:58:30.45 ID:DDQVHrfkP
从 ∀从「ん……くっ。
      ちゅっ、ぁ……はっ」

肉色の舌を唇から覗かせ、固く尖ったギコの先端に舌を這わせる。
根本から先端に向かって舐め上げ、時折顔を引いて、息を貪り吸う。
その度に窓の外からの陽を受けた喉元が上下し、口から溢れた唾液が伝うのが見て取れた。

わずかに震える主人の肉茎を口唇でなぞり、その顔を見上げる。

(,,゚Д゚)「……」

その表情に何の感慨もないことを見て取ると、微かに顔を紅潮させ、主人の「期待」に
答えるべく、より一層熱心に、その脈打つ部分に口づけた。

从///从「んっ……ンンッ」

そして身体を起こし、片手をギコの腰の脇に置く。
もう片方の手を肉茎の付け根に添えた。

从///从「は、むッ――」

首を伸ばし、露出した亀頭を上から咥え込む。
僅かに首を上下させ、雁首を唇で、鈴口の部分を舌先で刺激する。
そうしながら、根本に添えた手をゆっくりと上下に動かす。

(,,゚Д゚)「……、っ」

初めて、ギコが反応した。



108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/13(土) 00:03:21.57 ID:DDQVHrfkP
主人の腰が震えたのを見、高岡は安堵の笑みを漏らす。
小刻みだった首の動きを徐々に大きくし、半ばほどまで飲み込んだ。
すぼめた唇で、その唾液にまみれたギコの肉茎を、雁首を唇で撫でながら出入りさせる。

从///从「ふ.っ、ん、ぐッ。
      ふっ、む、う、んッ!」

醜悪とも言える、硬くぬめる肉茎が薄い唇を割り開き、幾度も口腔を犯した。

ギコの肉体が反応する。
高岡の口の中で肉茎は更に固くなり、高岡の口内の先端から透明な先走りを分泌する。
唾液に混じるその匂いを感じながら、高岡は首を動かし続けた。

(,,*゚Д゚)「くっ――――」

声を上げ、不意に上体を起こす。
視線を落とし必死に肉茎を啜る高岡の、首の後ろに波打ち伸びる髪を鷲掴みにした。

从///从「ふ.ぁ……ん、むぅッ?」

その首を前倒しにし、角度を調節する。
そして、腕を引き寄せ、腰を喉の奥深く目掛けて突き込んだ。

从///从「ぐッ、ふぐううううぅっ!」

ギコの肉茎が、その根本まで高岡の口に侵入する。
その先端は舌の付け根を通り過ぎ、食道にまで達した。



110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/13(土) 00:06:15.84 ID:yj9BdQ6FP
从///从「ふううううッ! ん、ぐ、ふぅっ、ふうっ!」

高岡の喉が、ぼこり、と膨らんでいる。
通常であれば触れられない場所を擦られる違和感と、そして反射的に起こる嘔吐感に、
高岡の両眼に涙が溢れた。

(,,*゚Д゚)「まだだ……吐くなよ、っ」

腕に力を篭め、ギコは激しく高岡の頭を前後させた。
喉奥の筋肉の窄まりを、女性器のように蹂躙する。
閉じきらない口の両端から唾液を流しながら、高岡は目を見開いた。

从///从「ふぐっ、は、ぅぐうっ!」

反抗することも出来ず、ただ拷問に等しい行為を受け入れるしかない。

从///从「ぐ、ふぅ――っ……!?」

繰り返しその食道を犯す肉茎が、さらに膨らんだ。

このままの姿勢で、射精される。
口を塞がれ呼吸もままならない状態で、喉に直接射精される。

高岡は必死でギコを見上げる。
声は出せず、口の戒めを解いて欲しいと視線で懇願する。



112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/13(土) 00:09:09.40 ID:yj9BdQ6FP
だが。

(,,*゚Д゚)「――駄目だ。出すぞ」

ギコは口の端を歪め、言う。
それは、この日高岡が奉仕を始めてから、始めて露わにした表情だった。

从///从「ッ! ふ、ぐ――――!」

高岡の喉の奥で、ギコの肉茎が一層大きく膨らむ。

そして。

(,,* Д )「く……ッ!!」

ギコは最後に、より一層深く、大きく高岡の喉奥に突き込む。
そのまま後頭部を掴んで固定し、その口奥に射精した。

从///从「ふ、む~~~~~~~~ッ!」

先端から吐き出された精液が、食道の内側を叩く。
口を開いて固定されたまま、高岡は涙を流した。

射精が終わり、肉茎の痙攣が止まる。
だが、それでもギコは掴んだ高岡の頭を離さない。

笑ったまま高岡を見下ろし、ギコは短く命じた。

(,,゚Д゚)「飲み込め。吐くな」



113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/13(土) 00:11:52.84 ID:yj9BdQ6FP
頭は掴まれたままだ。喉は、未だに硬さを失わない肉茎に塞がれている。
そして、主人の命令に逆らう権利を、高岡は与えられていない。

从 ;∀从「ううッ、ふ、ぐッ……んッ」

口を塞がれたまま喉の筋肉を収縮させる。
嘔吐感を堪え、高岡は逆流しかかった主人の精液を嚥下する。

从 ;∀从「う、ん、うふぅ……っ!」

熱く粘る粘液を、苦痛の喘ぎと共に飲み込んだ。
首を動かした拍子に、涙が白い襟に流れ落ちる。
咽頭反射を押さえ込んでの動作に、横隔膜が大きく震えた。

(,,゚Д゚)「……」

それを見届けて、ギコは高岡の頭を放り出した。
脱力した高岡の頭が床に落ちる。

从 ;∀从「うぅっ、けほっ、ごほっ。
      ……う、ッ……けほっ」

崩れ落ち、床で力なく咳き込む高岡を見下ろして、ギコは衣服を正す。

(,,゚Д゚)「もういい。
     外の二人を呼べ」

从 ;∀从「……は……ぃ」



115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/13(土) 00:14:27.72 ID:yj9BdQ6FP
掌で口を拭い、床に手を突いて立ち上がる。
肩を震わせながらも頭を下げ、入り口に向かった。

扉を開く。
その向こうには、ドクオとブーンの二人が立っている。
高岡は俯き、二人と視線を合わせないよう更に頭を下げ、部屋を辞した。

('A`) 「……」

その高岡を、ドクオは一瞬、汚物でも見るかのような視線で見送った。
一瞬後には常の無気力な表情に戻る。

('A`) 「失礼します」

( ^ω^)「失礼しますお」

ギコは無表情に、二人の顔を交互に見る。
その視線は高岡を見るものと大差ない。

(,,゚Д゚)「……見付かったか」

不機嫌そのものの声音で、問う。

('A`) 「いえ。敷地内には。
    門が開いていました。外に出たようです」

(,,゚Д゚)「……」

ギコの目が、細められる。



118 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/13(土) 00:16:49.37 ID:yj9BdQ6FP
ドクオの後を継ぎ、ブーンが口を開いた。

(; ^ω^)「で、でもっ。手荷物の類は、全て部屋に置き去りですお。
      あの格好で、しかも文無しで逃げたとしても、行く所なんてないですお。
      慌てなくても、じきに――」

(,,#゚Д゚)「なら――さっさと見付けてこいッ!!」

突如、ギコは激昂した。
机から金属のペーパーウェイトを取り上げ、二人に向かって投げ付ける。

(; ^ω^)「あひっ!」

ブーンは身を竦める。
さしたる重量はないが先端の尖ったそれは、彼の隣に立つドクオの額に当たり、絨毯に落ちた。

('A`) 「……申し訳ありません」

ドクオはただ詫び、頭を下げる。
ペーパーウェイトは彼の額に切り傷を作り、そこから血を滴らせているが、それには全く
頓着する様子を見せない。ただ主人に従い、直立不動の姿勢を取る。

(,,#゚Д゚)「貴様ら二人……チンピラ如きを何のために飼ってやってると思ってるんだゴルァ!
     ペット一匹の面倒も満足に見られんのか? 今すぐ叩き出してもいいんだぞゴルァ!
     俺のペットを、しぃを連れ戻せ! さっさと行け! 今すぐにだ!!」

(; ゚ω゚)「ひ、ひひぃっ!」

('A`) 「……承知しました」



119 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/13(土) 00:19:01.16 ID:yj9BdQ6FP
二人は頭を下げ、部屋を出る。
後には、息を荒げたギコだけが残された。

(,,#゚Д゚)「くそ、グズ共が!」

憤懣やる方ない様子で机を殴打し、立ち上がる。
そのまま机の周囲を歩き回っていたが、窓の前まで来ると一度大きく深呼吸をし、息を整えた。

広い窓から、外を見る。
緑の茂る中庭の反対側に立つ、鉄柵の門扉を見る。

(,, Д )「……」

そこに視線を据えたまま、呟く。

(,, Д )「しぃ……逃げても、無駄だぞ。
     お前は、俺のペットだ。どこに行っても、連れ戻す。
     誰にも、渡さん」

その顔に浮かぶのは、憎悪でも、憤怒でも、ましてや恋慕の情などでもない。



――高岡を弄んだ時に見せたのと同じ、残忍で、幼稚な、歪んだ笑みだった。





                                   <第一話 終>





121 :◆XcyV9XdVHQ:2009/06/13(土) 00:21:30.36 ID:yj9BdQ6FP
今日はここまで

※自作品置き場移転しました
ttp://xcyv9xdvhq.sakura.ne.jp/

じゃまた

>>82-85
いいコンビネーションだ……



この作品の続きはくるくる川 ゚ -゚)でまとめています。
◆( ゚∀゚)ジョルジュは取り戻すようです インデックスページ

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    なんかお茶犬みたいな配色になった。

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