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■( ^ω^)最終電車のようです

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2008/10/12(日) 22:56:59.16 ID:Vlxlg+Hr0

   チンチンチンチン

  警笛が聞こえてきた。

   チンチンチンチン

  警笛は遠ざかっていった。


  ( ^ω^)


  目の前にいる男は、妙にそわそわした様子で、先ほどから携帯をいじくっている。
  数分後、意を決したかのように席を立つと、通路を挟んだ隣の席の横に移動した。

  (´・ω・`)「はい?」

  ( ^ω^)「どうも」

  最初から席に座っていたショボンは、急に男が近づいてきた事で、読んでいた雑誌を閉じて顔を上げた。

  ( ^ω^)「すいません。駅につくまでで良いので、少しお話でもしませんかお?」


2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2008/10/12(日) 22:57:58.67 ID:Vlxlg+Hr0


  ( ^ω^)最終電車


        のようです(´・ω・`)


7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2008/10/12(日) 23:02:10.01 ID:Vlxlg+Hr0

  男はブーンと名乗った。
  男が名乗ると、ショボンも名前を名乗った。

  ( ^ω^)「すいません急に」

  (´・ω・`)「いえ、いいんですけど」

  ショボンは不審そうな眼差しでブーンを見つめている。

  ( ^ω^)「旅行、ですか?」

  ブーンはショボンの足下を見て言った。

  (´・ω・`)「ああ、このケースですか」

  ショボンは一度咳をしてから、ブーンに言った。

  (´・ω・`)「休暇を取って海外にでも行こうと思いまして。今日はこのケースを買っただけなんですよ」

  ブーンはなるほど、というように大きく頷いた。


9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2008/10/12(日) 23:07:21.24 ID:Vlxlg+Hr0

  ( ^ω^)「良いですね。僕も旅行に行きたいもんですお」

  そう答えてから、ブーンは電車の窓から見える高層ビル群を眺めた。

  ( ^ω^)「仕事、仕事、仕事ですからね」

  (´・ω・`)「大変そうですね」

  ショボンは表情を変えず、ブーンの横顔をじっと見つめながら言った。

  (´・ω・`)「そんな事を聞くために、話しかけてきたのですか?」

  ブーンはショボンを怒らせてしまったとでも思ったのか、手を合わせて謝った。

  ( ;^ω^)「用事という用事は無くて、ただ一人が寂しかったもので。
        最近仕事以外で人と話す事が無いんですお」

  そう言ってから、ブーンはもう一度だけ「すいません」と謝った。
  人の良さそうな男だ。


10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2008/10/12(日) 23:11:08.08 ID:Vlxlg+Hr0

  (´・ω・`)「お仕事、何なされてるんですか?」

  ハンケチを取り出し、顔を拭き始めたブーンに、ショボンは言った。

  ( ^ω^)「一応、警部として働いていますお」

  ショボンは開きかけた雑誌を閉じ、ブーンの顔に視線を合わせた。
  一瞬だけ探るような目つきをしていた。

  (´・ω・`)「ほう、素晴らしいですね」

  ( ^ω^)「何がですか?」

  適当な相づちだったのか、聞き返されたショボンは返答に困っていた。

  (´・ω・`)「いえ、市民を守る警察という仕事が、ですよ」

  当たり障りの無い返事だったが、褒められて嬉しかったのか、ブーンは顔をほころばせた。



13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2008/10/12(日) 23:15:32.13 ID:Vlxlg+Hr0

  ( ^ω^)「大したもんじゃありませんお」

  (´・ω・`)「謙遜を」

  ( ^ω^)「いえ、本当に。仕事が出来ない男だから、仕事に追われている訳なんですお」

  (´・ω・`)「なるほど」

  二人は声を上げずに笑い合った。

  ( ^ω^)「ところで貴方の職業は?」

  ショボンの喉が、微かに上下した。

  (´・ω・`)「小説家です。この年になっても、全然売れていませんけど」

  小説家と聞くと、ブーンは目を見開いて驚いていた。

  ( ^ω^)「凄いですお! 小説は大好きですお。今まで何を書かれていたんですお?」

  (´・ω・`)「あの、本当にマイナー作家なので、聞いてもわからないと思いますよ」

  ここまで食いつかれるとは思っていなかったらしく、ショボンはたじろいでいる。


15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2008/10/12(日) 23:20:01.52 ID:Vlxlg+Hr0

  ( ^ω^)「今日会ったのも何かの縁ですし、今度小説を買う時、探してみますお」

  ショボンは諦めたように天井を仰いだ。
  顔をもう一度男に向けると、ショボンは言った。

  (´・ω・`)「『凡庸の悪魔 汎用の天使』というタイトルです。もう絶版になってるから、探しても無いかも」

  ブーンは嬉しそうに幾度か頷いた。

  ( ^ω^)「いつもいく古本屋ならあるかもしれませんお。ありがとうございますお」

  (´・ω・`)「いえ、こちらこそ。読んで頂けるなら、私も嬉しい」

  会話が止まった。

   ガタン ゴトン

   ガタン ゴトン

  電車が規則正しく揺れる。


21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2008/10/12(日) 23:26:17.87 ID:Vlxlg+Hr0

  ( ^ω^)「小説といえば」

  (´・ω・`)「はい?」

  雑誌に目を落としていたショボンは、ブーンの声に反応して即座に顔を上げた。

  ( ^ω^)「最近お勧めのものとかあります?」

  一瞬ショボンの動きが止まった。
  数秒してから、ショボンは口を開いた。

  (´・ω・`)「ありません」

  ブーンはぽかんと口を開けた。

  (´・ω・`)「ああ、えっと、最近は忙しくて、あまり読んでいないんですよ」

  ( ^ω^)「へえ。小説家は、一日一冊くらい本を読んでるかと思いましたお」

  (´・ω・`)「ははは。私は速読なんて出来ませんから」

  ( ^ω^)「ふうん」

  ブーンはじろじろとショボンの顔を見ている。
  視線から逃げるように、ショボンは俯いて雑誌のページをめくった。


22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2008/10/12(日) 23:30:05.74 ID:Vlxlg+Hr0

  ( ^ω^)「忙しいんですか」

  (´・ω・`)「え、ええ、この時期になると、ちょっとね」

  ショボンの視線は雑誌に固定されている。
  ただし目線は文字を読んでいなかった。

  ( ^ω^)「それなのに旅行?」

  (´・ω・`)「今の仕事が一段落すれば、ですよ」

  ブーンはこくりと頷いてから、はっと思い出したように呟いた。

  ( ^ω^)「そういえば、小説家って有休あるんですね。ちょっと驚きました」

  (´・ω・`)「え?」

  ショボンはようやく顔を上げた。



23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2008/10/12(日) 23:35:34.62 ID:Vlxlg+Hr0

  ( ^ω^)「さっき休暇を取って温泉に行くって言ってたじゃないですか」

  (´・ω・`)「ああ、ええ、そうなんです。私雑誌のライターも兼ねていまして。本業はそっちなんです」  

  ショボンは慌てて付け加えた。

  ( ^ω^)「何の雑誌ですか?」

  (´・ω・`)「これですよ」

  ショボンは膝の上に広げている雑誌を指さした。

  (´・ω・`)「これの街角ラーメンコーナーを任されているんです」

  ( ^ω^)「見ても良いですかお」

  (´・ω・`)「これですよ」

  開いているページに記事があるらしく、ショボンはもう一度指さした。

  (´・ω・`)「ただし今は駄目です。恥ずかしいですから」

  ブーンが手を伸ばそうとしたら、ショボンは雑誌を閉じてしまった。

  ( ^ω^)「うーん残念です。今度買ってみます」


27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2008/10/12(日) 23:39:23.32 ID:Vlxlg+Hr0

  ( ^ω^)「雑誌の名前は?」

  ショボンは雑誌の表紙をちらっと見た。

  (´・ω・`)「『ライク ア ウォーカー』です」

  ( ^ω^)「ありがとうございますお」

  覚えようとしているらしく、ブーンは口の中で何度か雑誌の名前を呟いた。

  ( ^ω^)「あ」

  (´・ω・`)「何です?」

  今度のショボンの反応は早かった。

  ( ^ω^)「温泉じゃなくて、海外でしたっけ?」

  ショボンは何のことだかわからなかったらしく、首を傾げた。

  ( ^ω^)「ほら、今度行く旅行」

  理解するまでの間、ショボンの動きがまた止まった。

  (´・ω・`)「まだ、未定です」

  ショボンは呻くような低い声で答えた。


29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2008/10/12(日) 23:44:25.51 ID:Vlxlg+Hr0


   ガタン   ガタン


   プシュウウゥゥ


  電車が駅に着いた。
  二人はちらちらと顔を見合わせているが、どちらも降りる様子は無かった。

  ( ^ω^)「何処で降りるんですか?」

  (´・ω・`)「ああ、ブーンさんは?」

  ブーンは、どうして聞き返されたかわからないようで、少し戸惑っていた

  ( ^ω^)「三つ先の駅です」

  (´・ω・`)「私は、五つ先です」

  ショボンは即答した。
  本当に彼が降りたいのは、二つ先の駅なのだが、下車駅をブーンに知られたくなかったのだ。


31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2008/10/12(日) 23:48:37.44 ID:Vlxlg+Hr0

  ブーンは訝しむ様子も無く、そうですかとだけ言った。
  彼の様子に安堵したのか、ショボンの喉が、また少し動いた。


   プシュゥゥウゥ

   ガタン     ガタン

   ガタン   ゴトン

   ガタン   ゴトン


  電車が動き出した。

  ( ^ω^)「僕も最近忙しいんですお」

  携帯を開こうとしているショボンに、ブーンが言った。

  (´・ω・`)「お仕事で?」

  ( ^ω^)「ええ」

  ショボンはあまり乗り気じゃなさそうな返事をした。


35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2008/10/12(日) 23:56:13.96 ID:Vlxlg+Hr0

  ( ^ω^)「最近起こった事件の捜査が難航しているんですお」

  (´・ω・`)「それは大変ですね」

  ショボンは携帯を操作し始めた。
  ブーンからは見えないが、彼の指はでたらめにボタンを押していた。

  ( ^ω^)「ほら、連続ばらばら殺人事件」

  ショボンの指の動きが少し速くなった。

  (´・ω・`)「あー、ニュースで見ました」

  ( ^ω^)「残忍な事件ですよね。死体をばらばらにして天井から吊すなんて」


39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2008/10/13(月) 00:01:32.73 ID:t7LjY9CJ0

  (´・ω・`)「今何人やられているんでしたっけ?」

  ( ^ω^)「この前品川で見つかった死体で、もう八人目ですお」

  (´・ω・`)「恐ろしいですね。貴方は大丈夫そうですが、私は気を付けないと」

  ( ^ω^)「どうしてですかお?」

  (´・ω・`)「え?」

  ショボンの指の動きが止まった。
  彼は携帯のディプレイとブーンを交互に見渡していた。

  ( ^ω^)「殺されているのは一人暮らしの若い女性ばかりですお」

  一瞬の沈黙があった。

  (´・ω・`)「そう、ですね。私は対象外か」

  ( ^ω^)「まあでも、犯人の目的がわからない以上、危ないのは変わりませんか」

  ショボンは携帯をポケットにしまった。
  すると今度はブーンが携帯を取り出して、操作を始めた。


41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2008/10/13(月) 00:06:24.52 ID:t7LjY9CJ0

  ( ^ω^)「犯人は絶対頭のおかしい奴ですよね。
        猟奇殺人犯の考える事はたぶん一生理解出来ないお」

  (´・ω・`)「そうですね」

  ( ^ω^)「殺したいだけなら首でも絞めて殺せば良いのに。頭が悪いとしか思えないお」

  (´・ω・`)「あー」

  ( ^ω^)「絶対まともな奴じゃないお」

  ブーンはメールでも読んでいるのか、携帯を注視している。
  ショボンは窓から見える、流れる景色を見ながら言った。

  (´・ω・`)「ばらばらにする事に意味があるのかも」

  ( ^ω^)「どういう意味ですか?」

  携帯を見ていたはずのブーンは、ショボンの方を向いていた。
  ショボンは横目でちらちらとブーンを見ながら続けた。


45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2008/10/13(月) 00:12:40.33 ID:t7LjY9CJ0

  (´・ω・`)「例えば、宗教的な意味とか」

  ブーンは肩をすくめて鼻で笑った。

  ( ^ω^)「無いですお。ただいかれているだけですお」

  ブーンは再び携帯を操作し始めた。
  ショボンは一旦座り直してから言った。

  (´・ω・`)「じゃあ、運びやすいとか」

  ( ^ω^)「何ですか、それ」

  ブーンは携帯を見続けている。

  (´・ω・`)「ばらばらにすれば、運ぶのも楽じゃないですか。
        一旦別の場所でばらばらにしておいて、被害者のアパートに死体を持って行った。
        そう考えられませんか?」

  ブーンは携帯ごしにショボンをちらっと見た。

  ( ^ω^)「凄いですお。本当はまだ機密事項なんですが、その通りです。
        害者は別の場所で殺されてから害者の自室に運び込まれている。
        犯人はあくまで、飾り付けをする為に害者の部屋に乗り込んでいるんです。
        よくわかりましたね」


48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2008/10/13(月) 00:17:54.88 ID:t7LjY9CJ0

  (´・ω・`)「いや、別に」

  ショボンは言いよどんだ。

  (´・ω・`)「ふぅ、寒いな。この電車、エアコンがかかり過ぎだ」

  ( ^ω^)「ばらばらにする点については、実はこちらでもそうだと思っていたんです。
        問題は飾り付けの方ですお。犯人が何の為に害者をばらしたのか、まだわかっていない。
        ばらばらにしたのは飾り付けの為でもあると思うんですが、どうでしょうか?」


   ガタン    ガタン

   プシュゥゥゥウ


  電車が駅に着いた。

  ( ^ω^)「どう思います?」

  無視しようとしていたらしいショボンは、びくっと肩を揺らした。

  (´・ω・`)「さあ、私には何とも」

  それ以降、電車が駅を発つまで、二人は無言だった。


49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2008/10/13(月) 00:23:43.88 ID:t7LjY9CJ0

  ( ^ω^)

  (´・ω・`)

  ブーンは携帯を、ショボンは外の景色を、お互い目を合わせる事無くぼんやりと眺めている。

  ( ^ω^)「ご家族は?」

  (´・ω・`)「結婚ならまだですよ」

  ブーンの唐突な質問に慣れ始めているのか、ショボンは頬杖をつき、景色に顔を向けたまま言った。

  (´・ω・`)「貴方は?」

  ( ^ω^)「さっきもちょっと言ったけど、一人暮らしですお」

  (´・ω・`)「お互い寂しい身ですね」

  ( ^ω^)「恋人とか?」

  (´・ω・`)「きっと貴方と同じですよ」

  ショボンの瞳に、窓の外を流れる景色が反射している。


54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2008/10/13(月) 00:32:34.52 ID:t7LjY9CJ0

  ( ^ω^)「ああ、僕はいるんですお」

  (´・ω・`)「え?」

  ( ^ω^)「一応、恋人というか何というか、それらしい女性は」

  ショボンとブーンは一瞬の間見つめ合った。

  (´・ω・`)「貴方一人暮らしって……いや、仕事以外では人と喋らないって言ってたじゃないですか」

  ( ^ω^)「そうなんですお。その、彼女も同じ警部なので」

  ショボンは口を半開きにして、ブーンの顔を見つめている。
  裏切られた、とでも言いたげな表情だった。

  ( ^ω^)「仕事が忙しくなったら、プライベートではめっきり顔を合わせなくなって。
        今の捜査に区切りがつけば、一緒にデートでも行こうと思っているんですお」

  恥ずかしいのか、ブーンはぽりぽりと頭を掻いた。


58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2008/10/13(月) 00:36:41.91 ID:t7LjY9CJ0

  ( ^ω^)「恋人は」

  (´・ω・`)「いませんよ。欲しくもありませんが」

  ショボンの返事は素っ気なかった。

  ( ^ω^)「女性に興味が無いのですかお?」

  (´・ω・`)「別にホモセクシャルではありませんけどね」

  ( ^ω^)「あはは。でも僕と違ってもてそうなのに、勿体ないですお」

  ショボンはそっと下唇を噛んだ。
  まばたきの回数が増えている。

  (´・ω・`)「勿体ないというのは変ですよ。女性との付き合いは、必ずしも有益であるとは言えない」

  ( ^ω^)「どうしてですかお?」


62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2008/10/13(月) 00:43:30.56 ID:t7LjY9CJ0

  (´・ω・`)「女性は感情的にものを言うじゃないですか。
        どれだけこちらが正しくても、決して謝らないし、そもそも悪いと思っていない。
        自分勝手でわがままで、面倒な事を任せる癖に主導権は握りたがる。
        金の出費だって相当なものだ。あいつらは食事の代金は払わなくて当然だと思ってる」

  ( ^ω^)「なるほど」

  ショボンの呼吸が荒い。

  (´・ω・`)「まあ、全ての女性がそうである訳では無いんですが」

  一呼吸置いてから、付け加えるように言った。

  ( ^ω^)「何か女性関係で悪い思い出でもあったんですか?」

  ブーンの遠慮のない質問が飛ぶ。

  (´・ω・`)「そういう訳では無いんですが」

  ショボンは落ち着きを取り戻そうとしているかのように、声を抑えて言っているようだった。


66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2008/10/13(月) 00:48:34.55 ID:t7LjY9CJ0

  ( ^ω^)「そういえば、また事件の話に戻りますが」

  ショボンの喉が大きく動いた。

  ( ^ω^)「事件の犯人は、きっと女性に対して深い恨みがある者だと思うんですお。
        死体を傷つける犯人っていうのは、大抵は感情的な動機に基づいて犯行を犯しますから」

  (´・ω・`)「ほう、なるほど。しかし無差別殺人で恨みが晴れるもんなんですかね」

  ( ^ω^)「特定の女性ではなく、女性の存在そのものに恨みがある者の犯行。
        捜査本部はこう見解していますお」

  (´・ω・`)「ああ、そうか。鋭いですね」

  ( ^ω^)「え?」

  (´・ω・`)「え?」


   ガタン  ゴトン

   ガタン    ガタン


   プシュゥゥゥゥゥウ


  駅に着いた。


72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2008/10/13(月) 00:53:35.75 ID:t7LjY9CJ0

  ( ^ω^)

  (´・ω・`)

  ( ^ω^)「今何て言いました?」

  降りる客がいたらしく、足音が遠ざかっていくのが聞こえた。

  (´・ω・`)「いやあ、鋭い推理で、探偵顔負けだなあと。
        正解かどうかは別にして、警察はそうやって犯人を特定していくんですね」


   チャラン


  小気味よい効果音が流れた。
  メールが来たらしく、ブーンが携帯を取り出した。

  ( ^ω^)「動かすのは足だけじゃないお」

  ブーンはメールの返信をしつつショボンに答える。
  歳の割に、指の動きは速かった。


76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2008/10/13(月) 00:58:10.99 ID:t7LjY9CJ0

  (´・ω・`)「降りるのはここじゃ無いんですか?」

  ( ^ω^)「次の駅ですお。貴方は何処でしたっけ?」

  電波状況が悪いらしく、ブーンは携帯を持った腕を高く振り上げた。
  彼の視線はディスプレイに向いていて、ショボンの方は見ていない。

  (´・ω・`)「次の、次の次です」

  ( ^ω^)「よし。送れた」

  ブーンが腕を下ろした。

  ( ^ω^)「二つ先って事ですかね」


   プシュゥゥウゥウ

   ガタン   ガタン


  電車が動き出す。

  (´・ω・`)「三つ先です」

  ブーンは返事をしなかった。


79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2008/10/13(月) 01:01:20.09 ID:t7LjY9CJ0

   ガタン  ゴトン

   ガタン  ゴトン


  最終電車は音を刻む。


  ( ^ω^)「しつこいようですけど」

  (´・ω・`)「また事件の話ですか」

  ブーンはきょとんとした顔を見せた。

  ( ^ω^)「いえ、小説の話を聞こうかと。事件の話の方が面白いですかね」

  (´・ω・`)「いや、それは」

  ( ^ω^)「犯人がどうやって死体を運んだか、なんですがね」

  ショボンの言葉を遮って、ブーンが話を続けた。


83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2008/10/13(月) 01:05:31.52 ID:t7LjY9CJ0

  ( ^ω^)「ばらばらになった死体をどうやって運んだが、ショボンさんはわかりますかお?」

  ショボンは詰まらなそうに口をとがらせた。

  (´・ω・`)「手で持ち歩くのは不可能ですよね」

  ( ^ω^)「何でです?」

  (´・ω・`)「そんな事もわからないのですか?」

  ( ^ω^)「一応意見を聞いておこうと思って。
        捜査が詰まっているので、何か参考にでもなればと思っているんですお」

  (´・ω・`)「素人の意見を聞いてどうするんですか」

  ( ^ω^)「違った視点から見て初めて見えてくるものもありますお」

  ショボンの頬が引きつったようにぴくぴくと動いた。
  舌打ちを我慢したようにも見えた。


87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2008/10/13(月) 01:12:04.40 ID:t7LjY9CJ0

  (´・ω・`)「まず、人目につく」

  ( ^ω^)「近い場所に住んでいたら、人に見られる可能性は少ないですお。
        住宅街を夜中にうろつく人はあまりいませんから」

  (´・ω・`)「それに死体はばらばらなんでしょう。
        人間の手は二つしかない。手足が切り刻まれている人間をどうやって運ぶっていうんですか」

  ( ^ω^)「そうですね。あれ?」

  (´・ω・`)「え?」

  ブーンは考え込むように顎に手を置いた。
  ショボンは彼の様子をじっと凝視している。

  ( ^ω^)「手足がばらばらって、何で知っているんですかお?」

  (´・ω・`)「それは……」

  ショボンの言葉は続かない。


89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2008/10/13(月) 01:15:14.45 ID:t7LjY9CJ0

  ショボンの喉が何度も上下する。
  唾を飲み込む頻度が極端に増えてきた。

  ( ^ω^)「あ!」

  (´・ω・`)「え……」

  ( ^ω^)「あー! すいません」

  (´・ω・`)「何、何が」

  ショボンは蚊が鳴いているような声で聞き返そうとする。
  ただしタンが詰まっているのか、上手く喋れないでいた。

  ( ^ω^)「これは機密でも何でもなく、何処でも報道している事でしたお」

  (´・ω・`)「ああ、あー」

  ショボンの肩ががくっと下がった。
  彼のうろたえた様子とは違い、ブーンは飄々としている。


91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2008/10/13(月) 01:20:23.72 ID:t7LjY9CJ0

  ( ^ω^)「続けてくださいお」

  (´・ω・`)「へ?」

  ( ^ω^)「死体をどうやって運んだか、ですお」


   ガタン ゴトン

   ガタン ゴトン


  (´・ω・`)「布か、何かでくるまれていた、とか」

  ブーンは渋い顔をして唸った。

  ( ^ω^)「それは無いと思いますお。それぞれの死体の場所は、相当離れている。
        きっと犯人は何らかの交通手段を使って死体を運んだはずですお」

  (´・ω・`)「じゃあ……」

  ( ^ω^)「運んでいてもおかしくないものに、死体は入っていたんですお。
        例えば、その旅行用のケースのように」


95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2008/10/13(月) 01:23:51.21 ID:t7LjY9CJ0

   ガタン ゴトン

   ガタン ゴトン

   ガタン ゴトン

   ガタン ゴトン

   ガタン ゴトン


  (´・ω・`)「あ」

  かなり間が空いてから、ショボンは言った。

  (´・ω・`)「車。車で運べばいいんですよ」

  ブーンは舌を出して、ペロッと唇を舐めた。

  (´・ω・`)「車なら運んでいてもばれない。人目にもつかない。
       犯人は車を使って死体を運んだんです。どうですか、この推理」

   ガタン ゴトン

   ガタン ゴトン

   ガタン ゴトン


99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2008/10/13(月) 01:30:26.53 ID:t7LjY9CJ0

  ( ^ω^)「違いますお」


   ガタン  ガタン


  駅が近いとアナウンスがあった。
  同時に電車の速度が落ちてきた。

  ( ^ω^)「犯人はもっと賢かった。ナンバーを見られるのを恐れて、車で移動はしなかったんですお。
        とあるホームレスの証言があります。大きなケースを持った人間が、駅から出てきた。
        時間を照らし合わせると、それは最終電車でしたお。
        その人物は始発が出る頃に駅に帰ってきたらしいですお。やはりケースを持って」


   ガタン       ガタン


  ( ^ω^)「駅の監視カメラで映像を確認したら、三十代から四十代くらいの男が、確かにケースを持っていましたお」


   ガタン             ガタン


  ( ^ω^)「それから僕は毎晩、最終電車に乗り続けましたお。
        カメラに映った男を捜すために」



105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2008/10/13(月) 01:35:05.17 ID:t7LjY9CJ0


    ガタン



  ( ^ω^)「それと、ケースの蓋、ちょっと開いてますお?」

  (´゚ω゚`)



   プシュゥゥゥウゥゥ


  扉が開く音がした途端、ショボンは立ち上がり、逃げ出した。
  しかし彼が通路に飛び出した時、彼の体は宙を舞い、床にたたき付けられた。

  ξ#゚⊿゚)ξ「手錠!」

  彼の背中を押さえつける女性が見えた。

  ( ^ω^)「おう!」

  カチャリという金属の音が聞こえた。


111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2008/10/13(月) 01:38:36.80 ID:t7LjY9CJ0

  ξ#゚⊿゚)ξ「ブーン! ケースを!」

  女性が叫ぶ。
  他にも大勢の警官の足音が聞こえた。

  ブーンがケースを開ける。
  中に入っている私と目が合うと、彼はにっこりと笑った。

  ( ^ω^)「良かったお。死体じゃなくて」

  麻酔を打たれた体は、意識こそあれど声も出せない状態だった。
  お礼を言う代わりに、私はにっこりと笑った。



   -了-



122 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2008/10/13(月) 01:46:25.04 ID:t7LjY9CJ0
  思いついたら即スレ立ての精神はもう捨てた方が良いのだろうか
  どんでん返しじゃなくてごめんね。よまれてたかな
  お疲れ様でしたー





ニュース速報VIP板「( ^ω^)最終電車のようです」より
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    5/31 午前
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    ネタが
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    5/27
    なんかお茶犬みたいな配色になった。

    5/24
    テンプレの配色をどうすべきか・・・半年やってんのに未だに悩み中。

    5/21
    短レスの
    ネタが
    無い


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    大矢監督辞任・・・お疲れ様でした。

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